ICOMのIC-705は、アマチュア無線用ポータブルSDR機の定番モデル。
コンパクトながら多機能を備え、アウトドアや移動運用にも適していることから、高く評価されています。
後継機の登場が期待されているものの、公式の発表はありません。
そんな中、ライバルとして注目を集めているのが、八重洲無線の新型モデルFTX-1F(Field)!
2波同時受信やAPRS機能をはじめ、IC-705にはない最新フィールド機能が満載で、運用の幅と実用性が大きく広がっています。
本記事では、このFTX-1Fとの比較についても詳しく解説しています!
IC-705の特徴
✅HF~430MHzまでカバーするオールバンド・オールモード
✅SDR方式による高性能受信・多機能
✅D-STARやGPS、Bluetooth/Wi-Fi標準搭載
✅軽量・コンパクトで移動運用やアウトドアに最適
IC-705の後継機は?
2025年5月現在、IC-705の公式な後継機はアイコムから発表されていません。
発売から5年が経過し、ユーザーからは「そろそろ新型が欲しい」「出力アップや機能強化を望む」といった声が多く寄せられています。
しかし、ICOMは2024年にHF固定機の新型「IC-7610MKII」を発表したばかりで、ポータブル機の新型投入はもう少し先になる可能性が高いとみられています。
IC-705に代わるおすすめモデル
IC-705の後継機が発表されていない今、最も注目されている代替モデルが八重洲無線の「FTX-1F(Field)」です。
主な魅力として:
✅2波同時受信やAPRSフル対応、C4FMデジタル同時受信など、IC-705を上回る機能を多数搭載
✅HF帯とVU帯でアンテナ端子が分離されており、柔軟なアンテナ運用が可能
✅SDR方式・高性能DSP・高分解能A/Dコンバータで優れた受信性能
✅ポータブル運用を重視した設計と豊富なオプション
IC-705とFTX-1Fを徹底比較!
比較表
ICOM IC-705 | YAESU FTX-1F(Field) | |
---|---|---|
対応バンド | HF~430MHz | HF~430MHz (受信は30kHz~174MHz/400~470MHz) |
モード | SSB/CW/AM/FM/D-STAR | SSB/CW/AM/FM/C4FM |
デジタル機能 | D-STAR | ◎C4FM、APRSフル対応 |
最大出力 | 10W(外部電源時)、5W(バッテリー時) | ◎10W(外部電源時)、6W(バッテリー時) |
受信方式 | ダイレクトサンプリングSDR | ダイレクトサンプリングSDR ◎IFサンプリング |
ディスプレイ | 4.3インチタッチパネル | ◎高解像度タッチパネル |
GPS | 内蔵 | 内蔵 |
Bluetooth/Wi-Fi | ◎両方搭載 | USB端子でPC連携可 |
2波同時受信 | 非対応 | ◎対応 |
アンテナ端子 | 1端子(全バンド共用) | ◎HF帯・VU帯で分離 |
APRS | オプション対応 | ◎フル対応 |
サイズ・重量 | 200×83.5×82mm/約1.1kg | 213×89×55mm |
受信方式
IC-705は、全部の周波数で同じ方法で受信。
FTX-1Fは、低い周波数は同じ方法、高い周波数は別の方法(IFサンプリング)で受信。(範囲の受信に強い設計)
Bluetooth/Wi-Fi
IC-705はBluetoothとWi-Fiが使えて、スマホやPCとの無線連携が可能。
FTX-1FはUSB端子でPC連携が可能。Bluetooth/Wi-Fi搭載は現時点で未確認です。
アンテナ端子
IC-705は全バンド共用の1端子。
FTX-1FはHF帯とVU帯でアンテナ端子が分離されており、アンテナ運用の自由度が高いです。
APRS
FTX-1Fは本体のみでAPRSにフル対応しており、追加機器不要。
FTX-1Fは、IC-705より多機能・高性能な部分が多く、運用の幅が広がる設計。
一方、IC-705はBluetooth/Wi-Fi標準搭載やD-STAR対応など、独自の強みも持っています。
どっちがおすすめ?
✅機能重視ならFTX-1F
2波同時受信やAPRSフル対応、アンテナ端子分離など、IC-705にはない先進機能を搭載。C4FMデジタルやAPRS運用を重視するならFTX-1Fが有力。
✅コストパフォーマンスや実績重視ならIC-705
D-STAR運用やBluetooth/Wi-Fi連携を重視するならIC-705も依然としておすすめです。

IC-705のAPRS対応状況
GPSは内蔵しているため、自局の位置情報送信(ビーコン)自体は可能です。
しかし、IC-705単体ではAPRSの「パケット送受信」機能(双方向通信)を持っていません。
つまり、位置情報を送るのはできても、他局からのAPRSパケットを直接受信・処理することはできません。
結論、GPS内蔵だけど完全対応は別機器が必要です。
必要な追加機器
APRS完全運用のためには、以下を組み合わせます。
①外部TNC(Terminal Node Controller)
TNCがAPRSパケットを処理し、IC-705と連携して双方向通信が可能になります。
代表的なものとしては、MobilinkdやTinyTrakなど。
②PCやスマホのAPRSソフト
BluetoothやUSB接続でIC-705と連携し、APRSの送受信・地図を表示できます。
③アンテナと設定の調整
APRS周波数(通常144.390MHz)対応の適切な設定・アンテナが必要です。
使い方
IC-705でAPRSを使う簡単な手順はこれだけです。
1・GPS内蔵なので、自局の位置情報はIC-705単体で定期送信できる。(これがAPRSビーコン送信)
2・他局からの位置情報受信やメッセージ交換は、外部のTNC(例:Mobilinkd)やPC・スマホのAPRSソフトが必要。これをBluetoothやケーブルでIC-705とつなぐ。
3・APRS用の144.390MHzに対応したVHFアンテナを使い、無線機と外部機器の周波数やモードを正しく設定する。
4・外部機器とソフトで、他局の位置を地図上で見たり、メッセージの送受信を管理。
IC-705は「位置を送るだけ」はOKで、「受け取る&応答する」には追加機器が必要です。
もしAPRSの本格的な単体対応や2波同時受信機能がほしい場合は、八重洲無線FTX-1F(Field)がおすすめです。
まとめ
IC-705の公式な後継機は2025年7月時点で発表されていませんが、八重洲無線FTX-1Fが“IC-705キラー”として大きな注目を集めています。
2波同時受信やAPRSフル対応、アンテナ端子分離など、IC-705を上回る機能を備えつつ、ポータブル運用に最適化された設計が魅力。
一方で価格はIC-705より高めになる見込みで、コストパフォーマンスや運用実績ではIC-705も◎!

APRSについて
FTX-1Fは、本体のみでAPRSフル対応しており、IC-705よりもAPRS運用が簡単。
IC-705のAPRS機能は「GPS内蔵で位置送信ができるが、双方向パケット通信は外部機器で補完する必要がある」というのが現状です。